![]() | シネマと書店とスタジアム (新潮文庫) (2005/06) 沢木 耕太郎 商品詳細を見る |
人が何かを始めようとするとき、やはりなりたかった人なりモノなりに似てくる。
ショーがない・・・
だって、『あっ、コレいいな!こんなのになりたいな!』ってところから始まるから
ショーがない・・・
私の場合はこの人、沢木耕太郎。
最初に読んだ本は忘れましたが、とにかく言葉に引き込まれる。
”創造するっていうことは、新しい視点を見つけるということ”
と、どこかのクリエイターが言ってましたが、
この人の視点にどんどん引き込まれていく。
20年以上前に、それに引き込まれた人たちが、揃ってバックをしょって
”深夜特急”に乗って、”自分探し”に出かけたそうです。
驚くべきことは、沢木氏は 著作 深夜特急 を、
実際に旅して帰ってきて数年後に書いたってこと・・・
あの分厚い文章を、数年たってから克明に旅行記として
ノンフィクションとして書いたのです!
”成功する人は、抜群に記憶力がいい”というのはホントにホントですね。
あの時代だから、実際にユーラシア大陸を渡る必要性があったんでしょう・・・
今、自分探しのためにホントに旅に出るのはアホです。
探してるものは、やっぱりこれまでの自分の中にあるんです。
5つのブログを書こうと思った時に思い浮かんだ本です。
私の場合は、スポーツじゃなくて音楽なんですが・・・
やはり、”質の良い優秀なクリエイティビティは、次なるクリエイティビティを誘発する”んですね。
”ピカソを見たら、筆を持つか折るか”
”渡辺香津美を聞いたら、ギターをやめるか続けるか分かれる・・・”
誰かに何か行動を起こさせるほどのものを提供できるか・・・
何だか人生の、ケッコウ深い部分にまで関わってくることですね。
読書好きな方、この人沢木耕太郎の本は、ほぼはずれはないと思いますので
ぜひご一読を!
![]() | 彼らの流儀 (新潮文庫) (1996/03) 沢木 耕太郎 商品詳細を見る |
時々、父親について考えます。
40過ぎた今・・・
中学を卒業してから、30年地元の農協を勤めあげ、
しばらくブラブラした後、これまた地元の老人会の事務局長
(給料は安いが、要するに”天下り”である)を勤めあげた。
心臓のバイパス手術の途中、そのままとなった。
要するに、エンジンを限界まで使い切って終えたのである。
まったく手がかかることなく息をひきとった。
30年・・・・
長い年月である。
『大きな会社に行けば、身分の保証がある!』の口癖に反発するように
小さな広告代理店に入社し、疲れてついていけなくなり辞めた。
”流儀”なんてことが言えるような立派なものは、未だに身についていない。
先日、ある映画監督が、テレビ番組の中で言ってた言葉に唯一救われている。
『悪あがきする・・・
もっといいものがあるんじゃないか?
もっと別の表現の方がよかったんじゃないか?
正解がないから、ツライけど面白い。』
未だに悪あがきしている。
占い師によると、10年に一度の転換期だそうである。
迷いもあり、確たる決意もある。
長島一茂が現役を続けていたら・・・
なんて考えること自体ナンセンスだろうけど、
プロ入りする決意したときの迷いはどんなものだったろうか・・・
なんてことを思いながら、自分の道を未だに悪あがきしてるのである。
ただ、自分探しをするために他の場所へ旅することのアホらしさは
十二分にわかるつもりだ。
![]() | 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫) (1994/03) 沢木 耕太郎 商品詳細を見る |
バイブルですね。
言うことはありません。
”奥の細道”アジアの現代版といっていいんでしょうか?
沢木耕太郎の文章って、なんでこんなにも映像的なんでしょうか。
詳しく情景が書き記されてるわけではないのですが、
アジアの片隅から、地中海のオリーブ油の臭いが漂ってきて
ポルトガルの岸壁まで、はっきりと情景が思い浮かんできます、行ったことないのに・・・
要するにうまいんですね。
それだけ?
でもないように思います。
でもないから、プロなんですが・・・
とにかく視界を持っていかれます。
あまりにもこの人の視界に、ごく自然に連れていかれるものだから
よし、オレだって!なんて、ついつい勘違いさせられます。
たくさんの人が勘違いしたんでしょうねきっと・・・。
学生時代じゃなくて、ホントよかったですこれ読んだの。
あやうく、放浪の旅に出てしまって、他人の目でその気にさせられて
勘違いオトコになるところでした?
心地よい勘違いに酔ってみたい方、ぜひともオススメです。
しばらく禁断症状に見舞われますが・・・

![]() | 世界は「使われなかった人生」であふれてる (幻冬舎文庫 さ 18-2) (2007/04) 沢木 耕太郎 商品詳細を見る |
言うまでもなく、この人 ”沢木耕太郎”氏、バックパッカーたちの教祖様みたいな人です。
初めて、『深夜特急』読んだ時は、ホントにショッキングでした。
NHKのスポーツドキュメント、『奪還』も良かったです。
この人の本も、私としては今のところ失敗はありません。
唯一、小説の『血の味』は少し落ちますが、基本的にはよかった部類です。
んで、期待しないで手にとって、思いの他よくてラッキー!と思ったのがこれでした。
本来、この人の文章の魅力って、ルポにしても書評にしても映画評にしても
最終的にその対象物じゃなく、この人自身の着眼点・視線からはずれないこと、
そしてそのことが、とっても快適といおうか、心地よいという点じゃないでしょうか。
この本もそれです。
”使われなかった人生”・・・
もしも○○をしておけばよかったと、後悔することは誰にでもあることです。
もうヒトツの別の人生になっていたかもしれない・・・
そういう時はどうするのか?
その、”あり得たかもしれない別のもう一つの人生”
すなわち、”今現在使われていないその別の人生”を使ってみること、だそうです。
このブログの最初で紹介した”流星ワゴン”にのった主人公は、現状を認めることから
もう一つの人生を取り戻そうとします。
沢木氏は ”1号線を北上”するんでしょうか?
とにかく、今年から私自身も少しずつ、”今使われていない別の人生”を
使おうともがいています。
ふと、立ち止まった時、勇気をくれる1冊です。



















