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小太郎の左腕

  • 2010/02/28(日) 05:36:55

小太郎の左腕小太郎の左腕
(2009/10/28)
和田 竜

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子供だった頃、異様に気にする言葉がありました。
それは、『卑怯モノ』という言葉。
もしかしたら、今の子供たちの小さな社会の中では
死語なのかもしれませんね・・・
今、正義のためにワルモノたちと戦うヒーローっているんでしょうか。
親は親で、”オマエだけが損することはない”なんてこと言って
過剰に守ってしまうんでしょうか???


文章にも、”力技”なるものが存在するようだ。
その点においては、まだまだ若さからくるらしい”未熟さ”を
ワタシレベルのものが感じるのだから、たぶんホントにそうなのだろう。
が、しかし!
時代小説なるものジャンルで、ほんとに登場人物たちの
心情を感じさせてくれるこの人、和田竜
ワタシより年下なのに、なんでまた時代小説なのかとも思うが
読んでる最中は、実にワクワクさせてくれます。

やっぱり、”義”とかいうものが主題になってるからでしょうか、
かなりこちらの思い入れを受け入れてくれるこの人の作品ですが
それ故に、”青い”といえば、まだまだ青いんでしょう。

ワタシがいい年こいてしまっただけだからのかわかりませんが、
もっと自分の信念とやらに忠実に生きていいんだと思います。
そりゃまあ、オトナになってしまったなら所属する組織の論理とやらも
学ばねばなりません。
けど、それがとんでもなく理不尽ならば、もっとみんな
ちゃぶ台をひっくり返すできごとがあっていいんじゃないでしょうか?
そんなヤツがいないからこそ、こういう小説がウケルといえば
それだけのことなのですが・・・

オトナの生き甲斐っていうのは、自分が何かに貢献してることこそが
生き甲斐というなら、理不尽なモノやコトに対して
”ノー”とはっきり言ってもいいんじゃないのかな???
最近特にそんな、気持ちになってしまうのはなぜなんでしょうか???





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十字架

  • 2010/01/07(木) 20:38:40

十字架十字架
(2009/12/15)
重松 清

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”いじめによる自殺”・・・・・・
かなり多いらしい。
子供社会、学校という閉塞的な社会だけの現象かと言えば、
何だか違うような気がする。
イヤ、気がするんじゃなくてそうなのだ。

俗に言う”敗者”たちを変にかばうつもりもない。
が、しかし排除するための論理、
異質なものを受け入れられない論理を振りかざすなら
それは明らかに間違っている。
何にもまして、最もタチが悪いのが無関心であるという。

誰でも、自分と違うものを見たり感じたりすると
警戒するという。
生物として、当たり前のことらしい。
ところが、自分たちと違うモノに対してケッコウ面白さや
気持ちよさやら、ドキドキ感やら・・・何だかよくわからんが
その方が面白かったりする。
そうやって人類は発達してきた・・・・

何だかよくわからん書評になってきたな・・・


対して仲良くもないクラスメートがある日、
女の子に告白して自分を親友と遺書に書いて自殺した・・・
それが10年以上にわたって、関わってきた人たちに
十字架としてのしかかっていた・・・
親にとって、その時間は止まったままだった。

救われる道は?
あるのか?
ないような気がする・・・

それでも、それぞれの人たちは生き続ける。
悲しいか?
そうでもない・・・
イヤ、やっぱり悲しいか?

答は出ないなやっぱり。


この重松清って人は、こういう風に答を出せないことばかり
突きつけてくる。
ところが、そうやって突きつけられるのが快感なものだから
いつも新刊で買ってしまう。
出版社の思う壺か・・・

核の問題、北朝鮮拉致問題、同和差別、
沖縄の基地問題、膨大な赤字の国家予算、
みんなみんな答が出ない・・・
ま、いいかと今日も生きている。
が、この人が突きつけてくる問題提起はいつも
気持ちをとられて離してくれない。
解決策があるわけではないが、ひとつ賢くなったような気がしてしまう。
自分の中にある、何かしらの問題に勇気を持って向おうと
思わせてくれる。

爆笑問題の太田光が、秋葉原の大量殺人事件の犯人に思い知らせる
一番いい方法は、天才的な表現者たちが責任もって
”お前の考えてること感じたことなんて、ほら、たかがこんなことなんだぜ!”
と、それぞれの方法で徹底的に表現してみせることだとか何とか言ってた・・・
畏れ多くも文学に携わる方々ならば、そういう心象風景をきちんと
取り入れて表現して欲しいものだ。
それで救われるか?

救われるかどうかわからんが、少なくともこの人に小説読むたびにいつも
自分の身近な問題に立ち向かう勇気を持たせてくれる。
年末年始にいい本とめぐり合えたな。





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のぼうの城

  • 2010/01/06(水) 18:56:46

のぼうの城のぼうの城
(2007/11/28)
和田 竜

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本は中味が勝負である。
当たり前か???
でも、丁装やらも大事だ。
要するに、文学で食っていくにはマーケティングもかなり大事ってこと?
イヤ、別にそんなことが言いたいわけでは決してない。

久しぶりに、買って一気に読んでしまった!
ごっつおもしろい!
本屋さんで、平積みになってるのを横目で見ながら、
ミョーにこのイラストが気になってしかたがなかった。
あの曲者コメディアンの太田光がチョーオススメ!と評してたのが
これまた気になってしかたがなかった。

時代小説で、実話に基づくもののような書き方。
”のぼう”というのは、この物語の主役でもある成田長親の
”でくのぼう”のでくをとったあだ名。
豊臣秀吉が関東の北条氏をせめるときの、
石田三成の2万兵に対して、2千の兵で籠城して戦った合戦の人間模様。

この”のぼう様”のセリフがかなり熱くさせる。
”強い者が威張って、弱い者を虐げてゆくのが世のナラワシならば
 ワシは断固戦う!”
普段、でくのぼう呼ばわりされてる男が、当たり前に当たり前のことを
言った途端、”アイツがそういうなら手伝ってやんなきゃショーがない”?
なんてことで戦になる。


先日、占い師に見てもらった。
”ガンバって、張り切って、やる気満々で、
 困難には努力で打ち勝っていくのが自分だ!”
なんて思ってきたことを改めて、考え直す時期だそうだ。
”傷ついて、泣いて、弱々しい心に思いやる。”
そういうことに気づくようになったからこそ、自分の弱さも自覚して
一歩ずつ前に進んでいけるんだそうだ。

リーダーの気質に、最も必要なモノのような気がする。
映画化を前提とした分りやすい表現にしすぎてるのはご愛嬌、
これだけ元気がもらえるならもう、十分!
映画でも音楽でも小説でも絵画でも才能ある表現者の方々に対して、
私が求める第一のことは、元気付けてくれること。
見聞きして落ち込むようなもんだけはカンベンしてほしい。
とにかく、久しぶりにチョーオススメの一冊に会えました。


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基本中の基本なんですが、意外と少ない”ランチェスター”本・・・

  • 2009/12/23(水) 15:02:37

小さな会社こそがNO.1になる ランチェスター経営戦略 (アスカビジネス)小さな会社こそがNO.1になる ランチェスター経営戦略 (アスカビジネス)
(2009/08/12)
坂上 仁志

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”迷ったら基本に帰れ”なんてことを申しますが、その”基本”なんてもの、
特にビジネス、ましてや経営なんてことになるとホントに今や複雑に
なりすぎててわかりにくいもの・・・

私が、広告代理店に就職した時、まだ小さな20人弱(小さくはないか???)の
規模の会社だったにもかかわらず、1ヶ月間かけてきちんとOJTとセミナーみたいなのを
やってくれた、厳しくもイイ会社だった。
その時、トコトン言い聞かされたのがこの”ランチェスター戦略”。
今や構造的不況業種の出版業界の中で、ビジネス書だけがかなりの売れ行きという。

因みに、手相占いも忙しいらしい。
やっぱりみんな、不安なのかな?
エエ年したオッサンが、マジメくさった顔で占いを頼りにする・・・
チト嘆かわしい光景とも言える。
(と、自分に言い聞かせている・・・・)
本気で考えて、”血のションベン出るくらいに考え抜いてこそ”
運を天にまかせられるのだ!

”ランチェスター戦略”・・・・・
確か第一次世界大戦のとき、イギリス空軍800機がどうやって
1500機のナチスドイツ空軍に立ち向かうか、そこから始まった
戦闘についての戦略を経営戦略に応用させたもの・・・・
言わば、弱者が強者にどうやって打ち勝っていくか
その戦略についての理論である。
その基本はエリア戦略。
ナンバー1エリアをどう作っていくのか。

*これ読まれて間違いに気づかれた方ご指摘ください!
 かなりうろ覚えです・・・・・・

1位”になる。
これは相対的なこと。
2位、3位に対して、その他大勢に対して1位ということ。
”やればできる!”なんて精神的なものでなく、
小さく細かくセグメントしなおして何らかの分野・地域で1位になる。
そこから始める。
など等、指南的に書かれています。
ダレでも、何某かの分野で1位になれるのだ。
そこから始めよう。
久しぶりに、ビジネス書を読んでその気になれた一冊。


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空港にて

  • 2009/12/09(水) 22:22:41

空港にて (文春文庫)空港にて (文春文庫)
(2005/05)
村上 龍

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久しぶりに読んだ村上龍の短編小説。
テーマは、海外に行く日本人をモデルにした短編集です。
コンビ二、カラオケボックス、公園、空港とありふれた舞台っでの
何気ないシーンばかり・・・・
まさに、作家としての腕の見せ所と言わんばかりの、
何の変哲もない日常シーンの中です。

いつもの言葉ですが、ホントに凄いですねこのお方は。
この閉塞感漂う日本の日常の中で、希望をテーマに書きたかったそうです。

今やこの国で、海外に行くことなんぞ希望でもなんでもないのですが
やっぱりちゃんと、希望が描かれてます。
重松清みたいに、ちゃんとした日常の中で希望を描くのも
ありなんですが、村上龍みたいに淡々と少し突き放された観のある
ストーリーのほうが、リアルさが伝わってくるのはなんでなんでしょうか・・・

一昔前ではなく、フタ昔くらい前までは、現状から立ち去るって
逃げのような気がして、みんな立ち向かうべきなんて空気が
あったかのような気がします。
でも、ようやく大方の合意として、逃げたっていいような
そんな思いが認められてきたような気がします。
”バカの壁”なんて典型ですね・・・
分かり合えないものはもう、それでもいいんだってことが
ようやく認められてきて、今や最初から諦めててもいいくらいに
なっちゃって、ちょっと行き過ぎのような気さえします。

逃げたってどうってことない・・・・

ただいま求職中です・・・・

面白い!・・・まだ途中なんですけど・・・

  • 2009/12/06(日) 16:35:22

全脳思考全脳思考
(2009/06/12)
神田 昌典

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この人のこと、まったく知りませんでした。
別にやってる名言ブログで、ネタ探しにいろいろ検索してたら
偶然、すごくいいこと言ってる言葉を拾って知ったんです。

経営コンサルタントとしては、かなり有名な方のようですね・・・
この本も、偶然書店の平積みの中からみつけました。
読み始めると、これがかなり面白い!

おおよそほとんどの事業計画なるものが、
実際の市場となんでこんなに離れてしまうのか、
その思考プロセスをどうすればよいのか・・・相当深く考えられて
書いておられるようです。
個人商店の場合はそうでもないのですが、
ある一定以上の規模の企業の場合、やはり組織の硬直化は
免れない中、どうするのか・・・・
永遠の課題のようですが、ということは人の組織って
そんなに永遠悩み続けてきたってことなんでしょうか????

ちと、自分の会社の売上を悩んでおられるかた、ぜひご一読を・・・


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自分の人生に「レバレッジ」をかけなさい

  • 2009/11/21(土) 01:09:34

自分の人生にレバレッジをかけなさい!―このやり方で、伸びない人はいない!自分の人生にレバレッジをかけなさい!―このやり方で、伸びない人はいない!
(2009/10)
ダービー チェケッツ

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先日、仕事を辞めた。
正確に言えば、クビになったのである!!!
人生の節目に出会う一冊ってけっこう大きい。
この本でよかった。
つくづくよかったと本気で思ってます。

”保険”をかけるのではありません。
”レバレッジ”をかけるんです!

セルフコントロールの大切さは言うまでもないことだが、
この苫米地英人氏のお話ってホントに説得力がある。
(この本では訳者です、念のため!)

  『足りないのは努力ではなく、レバレッジなのです!』

なんて聞かされたら誰でも本気でその気になってしまう。
まずは、目次の紹介

 1)まず、やりたいことを”150個”書き出す
 2)人生の煩わしいことは魔法のように消えた!
 3)考え方を変えるだけで、世界は瞬時に変わる!
 4)”リアル”にゴールを映像化する
 5)「一つ結果が出るまで」続けてみる
 6)”上空”から物事を眺めてみる大効果
 7)気持ちは必ず「言葉」にする
 8)一日3分の工夫で、脳は変わる
 9)「人を動かす」最大のレバレッジとは
 10)一度「好き」「嫌い」の判断をやめてみる
 11)「コミットメント」は成功パワーの源!
 12)常に”プランB”をつくっておけ!
 13)その「知恵」、他の使い方知ってる?
 14)「他人を幸せにする」-それがあなたに価値を生む
 15)「自分にないもの」を見つけるには
 16)”100ドル”を最高のレバレッジにする!
 17)ときには、「調子に乗りすぎてみる」
 18)すべては、この「一つの目的」のために


一番正しい自己改革の方法は、
今自分の姿形のまま、別の成功した自分のイメージを思い描く
ことだそうだ。
本来のあるべき自分と思い描いた自分のイメージを正確に
思い浮かべた時のギャップが大切だそうだ。
五年後ではなく、あくまでも今の自分からがミソ!
自然に思い描いた自分に近づこうとするらしい。

とにかく、この苫米地さんは大好きです。
何でか?
ノーテンキなことを、科学的に説明してくれるから
少なくとも、『お前はやればできる子なんだから・・・』
よりは説得力あることは確か・・・

『40歳から伸びる人は、ここが違う!』

  • 2009/10/20(火) 04:35:00

40歳から伸びる人は、ここが違う!40歳から伸びる人は、ここが違う!
(2009/04)
川北 義則

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いろいろと考えてる時に、出会う人や出会う本て
ホントに大きい。
だからこそこのブログをはじめたんだけど・・・

長い間更新できなかったのは、忙しかったから!
じっくり本の一冊を読みきる余裕がなかったからです。
そんな余裕のない時に、たまたまコンビニで手に取ったのがこれ!

川北義則

名前は知ってました。
なぜか・・・・
なぜだか思い出せないけど、名前は知ってた。
若者向けのノウハウものなんてかなりあるのですが、
ホントのホントに意外とないのが、壮年期に向けた
人生のノウハウもの。
仕事の具体論についてならクサルほどにあるんですけど、
壮年期からそれ以降に向けての生き方についての本て
ホントに意外とない・・・

で、中味は?
けっこう、イヤかなり説得力がある。
というか、私自身が身につまされてる状態だから、なおのこと。

   『人生の折り返し地点にきたのだから、自分自身の棚卸を
    してみるのがいい。』

なんて聞かされると、ドキっとしっぱなしです。
私が本を買うときに必ずするのが、目次のチェック。
それでおおよそ間違ったことはない。
この本もそうでした。

 1章-40歳から伸びる人、止まる人の分岐点
     ・折り返し地点で、絶対やっておくべきこと
     ・これからは、どんどん「他人の知恵・力」を使う
     ・他人に絶対負けない「技」を一つ持つ
     ・四十歳を過ぎたら、ブレない自分をつくれ
     ・「先の見通しが立たない」ことこそ面白がる
     ・もっとストレスに強くなる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
などなど、平易な文章でどんどんひきこまれる。
さすが、元新聞記者!
しかも文化部長!!!
そして、やはりオトナです。
これからの人生を考えるとき、
『世の中に役に立つという視点を、忘れずに!』です。
まったくもっておっしゃるとおり!

難しい理論展開もなにもなく、ごく平易に日常の心得について
丁寧に解説されてます。
こんな本が今、私の心を捉えて離さないのは、
やはりそういう時期だからでしょうか・・・・

川北義則

もう少し探求してみようと思います。

久しぶりの五條センセー!”天神のとなり”

  • 2009/06/24(水) 07:33:55

天神のとなり天神のとなり
(2008/09/20)
五條瑛

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久しぶりの五條センセー!
一段と、エンターテインメント性を発揮されておられます。
前回の赤い羊がどうたらは、正直よくわからなかった。
けど、ここまで徹底すればかなりよろし。

麻生幾ほど重くなくて、福井晴敏ほどにマニアックでもない。
ちょうどのところがけっこうよろし???
それにしても、元大学准教授とかいう設定は
かなり新しいような・・・
まわりがヤクザ、風俗嬢といういかにも設定が
たぶんこの人、ホントに裏社会には身をおいたことないんだろう
って安心感を感じさせてしまうから、そこがまたいいトコなんでしょう。
そんなとこまでリアルを書かせるのは、他の方にまかせればよろしい。

久しぶりに、ホッとさせる一作でした!

村上春樹

  • 2009/05/30(土) 07:30:25

1Q84(1)1Q84(1)
(2009/05/29)
村上春樹

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エルサレム賞』授賞式スピーチより・・・・


こんばんは。私は本日、小説家として、長々とうそを語る専門家としてエルサレムに来ました
(聴衆から笑い)。

 もちろん、うそをつくのは小説家だけではありません。
ご存じのようにうそをつく政治家もいます。失礼しました、大統領(聴衆から笑い)。
外交官や将官も、中古車セールスマンや肉屋、建築業者と同じく、
それぞれの都合に応じてうそをつくことがあります。
小説家のうそが他と違うのは、誰も不道徳だと非難しないことです。
実際、より大きく上手で独創的なうそをつけばつくほど、人々や批評家に称賛されます。
なぜでしょうか。

 私の答えはこうです。
巧妙なうそ、つまり真実のような作り話によって、小説家は真実を新しい場所に引き出し
新しい光を当てることができるからです。
大抵の場合、真実をありのままにとらえて正確に描写するのは実質的に不可能です。
だから、私たち(小説家)は、隠れている真実をおびき出してフィクションという領域に
引きずり出し、フィクション(小説)の形に転換することで(真実の)しっぽをつかもうとします。

 でもこの作業をやるには、まず最初に、私たち自身の中の、
どこに真実があるかを明確にする必要があります。
これが上手なうそを創造するための重要な能力なのです。

でも、きょう、うそをつくつもりはありません。
できるだけ正直に話そうと思います。
1年のうちで数日しかうそをつかない日はないのですが、
きょうはたまたまその日に当たります(聴衆から笑い)。

 だから、真実をお話ししましょう。
日本でかなり多くの人に、エルサレム賞授賞式に行くべきではないと助言されました。
一部の人には、もし行くなら私の著作の不買運動を起こすとさえ警告されました。

 理由はもちろんガザ地区で起きている激しい戦闘でした。
国連の発表によると、封鎖されたガザ地区で1000人以上が命を落とし、
その多くは子どもや老人を含む非武装の市民でした。

 授賞通知をいただいたあと、このような時期にイスラエルに出向き、文学賞を受けるのは
適切なのか、これが紛争当事者の一方を支持し、圧倒的に優位な軍事力を行使することを
選択した国の政策を承認したとの印象を作ってしまわないか、と、たびたび自問しました。
もちろん(そうした印象を与えることも)著作が不買運動の標的になることも、
あってほしくないことです。

 しかし、考えに考えた末、最終的にはここに来ることを決めました。
理由の一つは、あまりにも多くの人が「行くな」と言ったからでした。
他の多くの小説家と同じように、私は人に言われたのと正反対のことをする傾向があります。
もし、「そこへ行くな」とか、「それをするな」と命令されたり、ましてや警告されたりすると、
私は逆に「そこ」へ行ったり「それ」をやったりしたくなります。
あまのじゃくは小説家である私の天性といえます。小説家は特別な種類の生き物です。
自分の目で見たものや、自分の手で触れたものでなければ、心から信頼できません。

 だから私はこうしてここにいます。
欠席するより出席することを選びました。
見ないことより自分で見ることを選びました。何も語らないより、皆さんに語ることを選びました。

 だから、ここでごく個人的なメッセージを一つ紹介させてください。
小説を書いている時、いつも心に留めていることです。
紙に書いて壁に張ったりはしませんが、心の中の壁に刻まれているもので、
こんなふうに表現できます。


<高くて頑丈な壁と、壁にぶつかれば壊れてしまう卵があるなら、私はいつでも卵の側に立とう>


 ええ、どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立ちます。
何が正しく何が誤りかという判断は、誰か別の人にやってもらいましょう。
時間や歴史が決めてくれるかもしれません。
しかし、どんな理由があっても、もし壁の側に立って書く小説家がいるとすれば、
作品にどれほどの価値があるでしょう。

 ここで申し上げた壁と卵のメタファー(隠喩(いんゆ))の意味とは何でしょう。
ごく単純で明らかな例えもあります。
爆撃機、戦車、ロケット弾、そして白リン弾は、高い壁です。
卵は、押しつぶされ、熱に焼かれ、銃で撃たれた武器を持たない市民たちです。
これがメタファーの一つの意味であり、真実です。

 でも、それがすべてではありません。さらに深い意味が含まれています。
こんなふうに考えてください。
私たちはそれぞれが多かれ少なかれ卵なのです。
世界でたった一つしかない、掛け替えのない魂が、壊れやすい殻に入っている--
それが私たちなのです。私もそうだし、皆さんも同じでしょう。
そして、私たちそれぞれが、程度の差はありますが、高くて頑丈な壁に直面しています。

 壁には名前があり、「体制(ザ・システム)」と呼ばれています。
体制は本来、私たちを守るためにあるのですが、時には、自ら生命を持ち、
私たちの生命を奪ったり、他の誰かを、冷酷に、効率よく、組織的に殺すよう
仕向けることがあります。

 私が小説を書く理由はたった一つ、
個人の魂の尊厳を表層に引き上げ、光を当てることです。
物語の目的とは、体制が私たちの魂をわなにかけ、品位をおとしめることがないよう、
警報を発したり、体制に光を向け続けることです。
小説家の仕事は、物語を作ることによって、
個人の独自性を明らかにする努力を続けることだと信じています。
生と死の物語、愛の物語、読者を泣かせ、恐怖で震えさせ、笑いこけさせる物語。
私たちが来る日も来る日も、きまじめにフィクションを作り続けているのは、そのためなのです。

 私は昨年、父を90歳で亡くしました。
現役時代は教師で、たまに僧侶の仕事もしていました。
京都の大学院生だった時に徴兵されて陸軍に入り、中国戦線に送られました。
私は戦後生まれですが、父が毎朝、朝食前に自宅の小さな仏壇に向かい、
長い心のこもった祈りをささげている姿をよく目にしました。
ある時、なぜそんなことをするのかと聞いたら、
戦場で死んだ人を悼んでいる、との答えが返ってきました。
死んだ人みんなの冥福を祈っているんだよ、味方も敵もみんなだよ、と父は言いました。
仏壇の前に座った父の背中を見つめながら、
父のいるあたりを死の影が漂っているような気がしました。

 父は去り、父とともに父の記憶、私が永遠に知ることができない記憶も消えました。
でも、父の周辺にひそんでいた死の存在は私の記憶として残りました。
それは、父から受け継いだ数少ないものの一つ、最も大切なものの一つです。

 きょう私が皆さんにお伝えしたいのは、たった一つです。
私たちは皆、国籍や人種や宗教を超えて人間であり、
体制という名の頑丈な壁と向き合う壊れやすい卵だということです。
どう見ても、私たちに勝ち目はなさそうです。壁はあまりにも高く、強く、冷酷です。
もし勝つ希望がわずかでもあるとすれば、私たち自身の魂も他の人の魂も、
それぞれに独自性があり、掛け替えのないものなのだと信じること、
魂が触れ合うことで得られる温かさを心から信じることから見つけねばなりません。

 少し時間を割いて考えてみてください。
私たちはそれぞれ形のある生きた魂を持っています。体制にそんなものはありません。
自分たちが体制に搾取されるのを許してはなりません。
体制に生命を持たせてはなりません。
体制が私たちを作ったのではなく、私たちが体制を作ったのですから。

 以上が私の言いたかったことです。

 エルサレム賞を授与していただき、感謝しています。
世界のさまざまな所で私の本を読んでいただきありがたく思います。
イスラエルの読者の皆さんにもお礼を申し上げます。
皆さんのおかげで、私はここに来ることができました。
そして、ささやかであっても、意味のあることを共有したいと願っています。
本日ここでお話しする機会を与えていただき、うれしく思います。
どうもありがとうございました。


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